しまなみの杜は今治市の自然豊かな杜に包まれ建っています。このプロジェクトは園長先生の食育に関する情熱から始まっています。「子ども達がみんなで楽しく食事が出来るランチルームが欲しい」そんな思いがつまったランチルームは園の中心に位置し、幼稚園棟と保育園棟を繋ぐ場にもなっています。
どこへ行くのもここを通らなければ行けません。家でいえば居間の様な、いつでも集まることのできるよりどころになるわけです。ランチルームの建具を開放することで外部の豊かな自然とも容易につながる、多様な使い方が出来る「場」が生まれました。そして園舎全体に暖かさをつくっているのが集成材（唐松）構造体です。子ども達が木のぬくもりや自然のすばらしさを体感しやがて巣立ってゆく、そして何年か後にまた集まれる場として存在し続ける魅力のある園舎になったと思います。

「新建築2011年12月号別冊
　　　　　　　　都市に森をつくる」に掲載