白河市立図書館エスキスコンペ
2006
Shirakawa


+真澄建築設計事務所

「情報のおもちゃ箱」のような建物

図書館に行って楽しもう。こんな合い言葉で市民はこの建物に集まってきます。新しい図書館は情報を、調べるだけの物理的インターフェースから、サービスをうけて楽しむ「場」へと変化しゆきます。多くの情報が詰まったおもちゃ箱のように、ひっくり返すと思いもよらなかった情報に出会える。そんなサプライズを感じる「場」になることでしょう。もちろん展示室や集会場などの公民館的な役割を果たすことでコミュニティーの中での文化的存在意義が出てくると考えています。

「情報の杜」への誘い

情報の杜へ彷徨い込んでください。きっと新たな発見が生まれることでしょう。私たち人間の「知」への欲求はとても深い物です。知ることによって見方も変われば、発想も変わっていきます。知る楽しみを一度知ってしまったら、もう情報の杜へ彷徨い込んでしまいます。多くの市民が「知」という財産を気軽に共有出来る「立ち寄り型」「滞在型」の図書館を提案したいと考えています。

階層を感じさせない「回遊性建築」

多くの図書館は、画一的な配列のため他の分野とのかかわり合いが少なくなっています。私たちが提案する図書館は、美術館のように回遊性のある図書館を考えています。本を作品と捉え自由に作品を手に取り鑑賞できる空間を提案してゆきたいと考えています。来館時に毎回同じ順路で館内を巡るのではなく、思いもよらない場所から新たな発見が出来る展示・閲覧空間を提案したいと考えているのです。

思索の杜と情報の杜
 〜広場と結ばれた開かれた図書館〜

敷地西側には導入路としての公園が計画されています。思索の空間と位置づけられたこの空間と図書館は呼応するように計画されています。西側から続く公園のイメージを図書館部分で途切れさせることのないように1階部分は、半外部空間と内部空間が混合した空間を計画します。文化的ゾーンの一体感を出す為に東西方向は、視覚的にも動線的にも通り抜けが出来るようになっており、まさに自然の杜と情報の杜がうまく混ざり合うよう計画します。また道場門遺跡や白河の文化的遺産を紹介する地域資料のコーナーを公園に面して計画するなど、身近かな文化遺産として親しみを持てるよう配慮します。

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